大学生や若手家庭教師の方向けTips集 part2~課題認識を確認しよう~

家庭教師
この記事は約6分で読めます。

こんにちは、あぶどぅるです。

オンライン自習室も(良い意味で)人がちょっとずつ少なくなってきて、学校や塾のオンライン体制も整ってきたのかなーと喜び8割、寂しさ2割。関西は緊急事態宣言も解除されるみたいですし、そろそろ次フェーズの動きを考え始めなきゃですね。勉強スケジュールも変わりますし、そこも考えなければ。

個人的には、とりあえず学校始まって時間できたら温泉行きたいなーとか考えてたり。いや、2020年受験からコロナ騒動の今までぶっ通しだったので・・・。オンライン指導が可能なら「『本日は箱根より指導をお送り致します』→終わったら温泉」みたいなのも可能なのかなーとか企んだりもしていますが・・・ご家庭の要望と、旅館のWifi環境しだいですね。やってみたいなぁ。

学生/副業の方向け「はじめての家庭教師」的なTips集 その2

さて、本題。個人契約中心でやっていきたいと考えられている若手の家庭教師さんや指導者の方に読んでほしい企画part2。

先日の記事の続きですね。家庭教師の指導開始時、どんなことを考えて、どんなものを作るか、という話。前回書いた以下の流れの中の「4.そのためになぜ家庭教師が必要な状況か」について書いていきたいと思います。
 

  1. なぜ受験をするか
  2. 目標としているものは何か
  3. そのための中間目標は何か
  4. そのためになぜ家庭教師が必要な状況か
  5. どんな学習が必要か
  6. その中で、家庭教師がどんな指導をするか

前回の記事とセットで「キックオフの流れ」というイメージですので、本記事からご覧になった方は是非合わせてご覧頂けると幸いです。
前記事:大学生や若手家庭教師の方向けTips集part1~指導開始時に考えること~

ご家庭の課題認識と対応策例

上記、「4.そのためになぜ家庭教師が必要な状況か」部分についてですね。

別に、就活で嫌われる質問のごとく「それってうち(家庭教師)じゃなくてもいいよね?」とか言うわけではないですよ。そんな意地悪質問的な意味でなく、純粋に「なぜ依頼しようと思ったのか」はその後の指導内容や気を付けることにダイレクトに影響を及ぼします。

いくつか例を挙げていきましょう。

■ケースA:原因がよくわからない場合
例えば、ご家庭の認識で「なぜかわからないが数学の成績が上がらないんです。それを上げたいんです」という状況であれば、まず家庭教師がすべきタスクは「なぜ上がらないのか」の原因明確化です。「塾の授業時間中の理解が足りず、宿題ができていない」かもしれませんし、「宿題を一部しかやっておらず繰り返し演習が足りていない」かもしれません。「テスト直しをしていない」かもしれませんし、「現状の勉強内容に問題は無いが、一年前の内容がまずく、前提理解が足りていない」かもしれません。

■ケースB:割と原因がはっきりしてる場合①
ご家庭が「数学の中難易度以上の問題ができない。理由は演習量が足りていない。しかし基礎トレで不明点が溜まり毎日時間がかかり、デイリーサポートの後半やデイリーサピックスまで手が回らない」くらいまで分析できていたら(もちろん家庭教師もその認識の確認検証は必要ですが)、例えば「基礎トレの不明点はタームの初日で随時やって即解消、アプローチを一緒にやってデイサピA~Dで復習。詰まったらすぐ聞く」みたいな方針になるかもしれません。

■ケースC:割と原因がはっきりしてる場合②
「子どもがサボる。親はケンカになるしチェックし切れん」って場合、割とありますね。勉強の全体量を増やすというよりは、まず学習精度を上げる。塾の宿題や家庭教師からの課題のやった内容のチェックをまずは重点的に行い(やっていないことを想定して脳内スケジュールは立てつつ)、「勉強の仕方」からの訓練になります。まぁ、「姿勢的なものは中学以降に身に付けるので、とりあえず都度指導する形で」というケースもありますが、その方針は前記事の「①なぜ受験をするか」で確認した、学習についてのご家庭の考え方と合わせてご相談かなと考えています。

■ケースD:依頼理由がそもそも成績面じゃない場合
あとは「現在の成績には満足しているが、色々な指導者とディスカッションしながら昔の仕事の話とかも含めて勉強以外のことも話してあげてほしい」ってケースもありました。それなら、ガリガリ演習ってよりも、一つの問題やものごとに関して色んな視点での解釈を話したり、勉強以外の話も多くする形になります。

■ケースE:塾や家庭教師変更の場合
「以前別の塾/先生にお世話になっていたのですが変更しようと思いました」というケースですね。これは「なにが問題でしたか?」「なぜ変えようと思いましたか?」という部分は確認しておく必要があります。明確にご家庭の中で「これはやってほしくない」というアンチパターンが存在するわけですので。

課題とは「理想と現況のギャップ」、それは「指導者への依頼事項そのもの」

とまあ、上記のように具体/抽象のレベル感も含めて、ご家庭の中に色々な課題認識があります。その内容はそのまま家庭教師への依頼事項となりますので、明確にするのは非常に大切かと考えています。

ただし、その「課題」を明確にする前には、前フェーズの「学習に関する考え」や「目標(大目標・中間目標)となる場所」が明確である必要があるのかなと。「課題」とは「こうなりたい」という理想の姿と、「でもいまはこう」という現状とのギャップです。カーナビで言うと

大目標:目的地
課題:目的地までの距離と方角
家庭教師の指導内容や方法:具体的にどんな道を走っていくか(この道を3kmまっすぐ、その先を左、みたいな)

というイメージです。

ただ成績が上がらないというだけだったとしても「どのくらいの成績『でない』ことが不満足なのか?」「なぜ現在の勉強環境でできていないか」「なんでそのために『家庭教師を頼もう』と思ったか」を考えないと、「逆に、指導者は何を達成したら満足いただけるのか?」が定義できませんからねぇ。

やっぱり、ご家庭と指導者が一緒に明確化していくもの

前回も書きました通り、事前にご家庭がそれを明確・具体化できている必要はなく、家庭教師としてもそうなっていることを期待するものではないと思います。一緒に協力してやればいいんですよね。一見明確化できていても、実際に子どもの状況を見てみると「ちょっと違うところに課題があるかな」ということもありますので、検証も含めてですね。

お医者さんと同じかなと考えています。医学知識を持っていて色んな患者さんを診ているのはお医者さん、でも「どこがどう痛いか」という症状を言えるのは患者本人だけです。双方の情報と知識と経験を合わせて協力して病状を推察する、というイメージですね。

同様に、子どもを一番見ている時間が長くて知っているのはご家庭、勉強や受験に関する知見・課題整理などに長けているのが(もしくはそこで頑張るのが)指導者。どっちが偉いとか正しいとかではなく、両者が協力して子どもの現状分析なり、一番良い学習の方法検討なりをしていけば良いのかな、と。そう考えています。

若手の家庭教師の先生も、「課題はなんですか?普段見てるんですからわかりますよね?」と超オープンクエスチョンでご家庭に丸投げ無茶ぶりしないでくださいね(笑)それが誰てもサクッとできるなら、苦労はありませんので。
「このブログに書いてあったからそのまんな聞いてみよう」ではなく、「こういうような内容を引き出すためにあんなヒアリング方法もある、こんなヒアリング方法もある」と考えていってもらえたらなと思います。

===============
思いのほか、長くなってしまいましたね・・・(´・ω・`)

たぶん、途中でケーススタディとか入れているから分量多くなっちゃうんだろうなーとは思いつつ、それがないとなんか具体性に欠けて机上の空論っぽくなっちゃうなーとも思いつつ。

てなわけで、次回に続きます。
次記事:大学生や若手家庭教師の方向けTips集 part3~具体的スケジュールを提示しよう~

最後までご覧頂き、ありがとうございました!

コメント