中学受験での「ケアレスミス(と言いたくなる誤答)」をどう改善していくかpart1~仕組みによるもの~

家庭教師
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こんにちは、あぶどぅるです。

突然ですが、一つ宣伝を。嫁が、漫画書いてるんですよ。本当に趣味の漫画なんですが。

↓こんな感じの日常を描いたようなやつです。

はい、ご覧になってわかるように私も出てきます。

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中学受験での『ケアレスミス』『計算ミス』種類と対処

さて、本題。今回から2~3回に渡り、受験生で良くある悩み「ケアレスミスが多い、本当はできたはずの問題なのに」というテーマについてお話致します。

ケアレスミスと言ってしまうと「次から注意しよう」と気持ちの問題で済ませたくなるのはわかるのですが、一見「ケアレスミス」でも、種類は様々。メンタルや性格に起因するケースも確かにありますが、具体的な記述方法等によるケース(仕組みを変えることで改善するもの)も多いと考えています。そしてそのような場合であれば、再発防止策を考える余地も、またその必要もあるかと思います。

まず最初にそれらの「ミス」について分類し、その上で個々に対処法の例をお話していきます。前半となる今回は「ミス」の分類、および「オペレーションによって起こるタイプ」についてお話致します。

「ケアレスミス」と言いたくなる間違いの分類

「ミス」の分類の仕方は先生やご家庭によって色々あると思いますが、私は大きく以下のように分類・対処の検討を行っています。

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①オペレーション(記述方法ややり方)の理解不足が元で起こっているタイプ
②テストの際に①を実行できていないタイプ
③子が「正解率を上げる」こと以外を優先してしまっているタイプ
④緊張等の理由で、テスト中に練習したことが全て吹っ飛んでいるタイプ

●数字に対する「慣れ」が足りていなく、間違った際のチェック機構が弱いタイプ
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概ね、ミス自体は①~④のいずれかで起こっていると分類できるかなと考えています。

また、●はちょっと別枠にしているのですが、それについて少しだけ解説を。「答えを見たときに普段との違いから何か違和感を感じる」力という風に私は捉えています。論理というよりは、子の経験から帰納的に感じる違和感とでもいいましょうか。例えば、整数同士の掛け算で「97」とでたら、「素数だよね」という論理の一瞬前に「・・・ん?」という感覚が先に来る。そんな感じです。

「最初からミスをしない能力」と「自分でミスに気付いて修正する能力」は別だと考えています。会社で言うなら「ある人がエクセルで自動化して目検ミスをなくす」ことと「複数の部署や上司によるダブルチェック体制」のようなもので。

ミスが多くても、●が優れていればある程度は自分で拾えますし、逆にミスは少なくても、●が弱ければ起こしたミスが全て結果に反映されてしまいます。つまり、「①~④の発生原因」と「●のチェック機構の稼働率」の合わせ技で、最終的な精度が決まると考えています。

詳細は、後程(というか次回?)再度ご説明したいと思います。

ケース①:オペレーション(記述方法ややり方)の理解不足

ではケースごとに一つ一つ、ケース例や対処法を見ていきましょう。

まず、オペレーション、つまりやり方によって発生しているものですね。で、これ。思いのほか多いと考えています。「本人の不注意」のように見えて、実はやり方がまずかったといったもの。

この類のミスに対しては、そもそもミスの起こりにくいやり方・書き方をしっかり身に付けていくというのが大切なのかな、と考えます。

具体的なケース例

科目や単元・内容によっていろんな誘発ポイントがあり、ちょっと全てを網羅的に挙げるのは難しいのですが、いくつか例を。

■ひっ算の途中で見間違える
繰り上がりの数字を書くのにスペースが無くてつぶれてしまっている、とか
そもそもひっ算を書く場所が悪くて他の記述とぶつかってしまうとか。これって、注意力、とかではなくやり方・技術的な問題なんですよね。

割り算のひっ算をノートの右端から書き始めてスペースが無くなったり、逆に掛け算のひっ算を左の方から書き始めて式の部分にぶつかったり。(割り算のひっ算は右下に、掛け算のひっ算は左下に伸びますので・・・)

■比を逆にする
比を使う問題で、逆比などを意味を分からず使って解法だけ覚えようとすると、ミスが起こりがちだったりします。理科のてこなどでごっちゃになる子などであれば、下手に逆比とか使わず、「支点からの距離×力」の等式を書きましょうという風にアドバイスするようにしています。

■聞かれてることと異なることを答える
国語だと、「問題で何を聞かれているか」を間違えるというのもあるかと思います。「理由なのか気持ちなのか相違点なのか」や「正しいものを選べなのか」「誤っているものを選べ」なのかなど。算数なら「どこの長さを聞かれているか」「誰の速さを聞かれているか」などもこれに当たりますね。

こういうケースは「最初に、問題を確認する時に線を引きつつ指差し確認」などが最初の対処になるかと思います。

練習する時には、横について親御様が聞いてみるのも良いかもしれませんね。「問題を見た後、本文を見ながら考えている状態」の子に「今考えてる問題って、どんな問題?」って聞いてみるんですよね。ここで「なんだっけ」って問題見直す状態であれば、ちょっと問題が頭に入ってないかなと判断できます。こんな感じで、「何を聞かれているか」を意識できるように促していくのが良いかと思います。

あとは、「答えを解答欄に書くタイミングで、問題を見直さない」というのも良くあるかと思います。これについても、「何を答えるか、最後まで注意して覚えておく・・・」という対処は難易度が高いと思います。ですので、「最後の答えを書くときは問題を確認」する。無意識に確認する癖がつくまで、何度でも繰り返す。可能であれば、練習の時に横に付いて、一問一問やってるか確認してあげられれば良いですね。

やり方を修正した上で、繰り返しのトレーニングが必要

いくつか例を挙げましたが、このようなものは「注意して!!」という声掛けだけでなく、具体的にやり方を変えていく必要あります。ですので、今、ミスがあるのであれば、「そのミスが生まれた経緯はどこにあるのかな」と各々精緻に確認していくのが良いかと思います。

※もちろん、可能であれば低学年のうちから(もちろん六年生はこれからでも)式やひっ算の書き方ひとつ、解法ひとつ一つで、ミスの起こりにくいやり方、書き方を身に付けていくのがベターだと考えます。「理屈として正しいやり方」の中でも「(どっちも正しいけれど)ミスしやすいやり方/ミスが起こりづらいやり方」みたいなものはありますので。

また、その際、一度やり方を修正したからと言ってすぐに実践でもできるわけではありません。スポーツ、例えば野球でも、フォームを変えたからといって、すぐにそのフォームで打てるわけではありません。

そのフォームで何千回、何万回素振りをして、体がそれを覚えて無意識にできるようになって、はじめて実践投入できるものかなと。なので、やり方を変えた後、粘り強いモニタリングが必要である、体に染みつくまで少し時間がかかる、と考えておかれるのが良いかと思います。

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といったところで、本日はここまで。次回は後編、冒頭に書いたタイプ②~④についてお話致します。

個々の原因を探りつつ、やり方の改善を考えつつ、ミスと一言で言っても、詳細に見ていくと種類も対処も様々なので、本当に大変ですよね。

ただ、精神面の成熟が進んでくれば、子ども自身の中に「前に同じ流れでミスった」というアンチパターンが溜まってきたり、「今回の単元ではなぜミスしたんだろう」と省みる力もついてきますので、実際は時間が解決する部分もあったりします。

いきなり10のミスが0になるというよりは、可能な限りの原因究明&対処はしつつ、長い目で改善し減らしていければよいかなと考えています。

では。最後までご覧頂き、ありがとうございました!

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