中学受験での「ケアレスミス(と言いたくなる誤答)」をどう改善していくかpart2~「やらなきゃいけない」を「やる」に変えるために~

家庭教師
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こんにちは、あぶどぅるです。

ある程度の頻度で更新してると、この冒頭の小話もネタが尽きてきますねぇ。自粛生活の中で、なかなか動きや日々の変化が小さいということもあるのかもしれません。とはいえ、2020組の中1勢が先週あたりから続々と初登校を果たしたり、初の中間試験のあった子もいたりと少しずつ動き出してきた感もあります。

中間試験と言えば、私が中学高校で1回だけ赤点を取ったのが中1・1学期の地理だったんですよね。しかも、地理の先生はソフトボール部の顧問で微妙に気まずかったり・・・うーん懐かしい(=ω=)

中学に上がると、中学受験塾に比べて「勉強の仕方」についての指導が良い意味で手厚くない(つまり自分で考えさせる)先生も多いと思います。なるべく早い段階で、「勉強の仕方」を固めていければ良いですね。

中学受験での『ケアレスミス』『計算ミス』種類と対処

さて、本題。前回に引き続き、受験生で良くある悩み「ケアレスミスが多い、本当はできたはずの問題なのに」というテーマ。

最近は「ケアレスミス」という言葉自体を使わない方も多いようですね。確かに、この言葉は「深刻度はそれほどでもない」「次は容易にできる」という連想をさせることもありますので、もし子がそういう印象を持ってしまう場合は避けた方が良いかもしれません。

まあ、ワードのチョイスはさておき。「ケアレスミスと一般的に言われる誤答」には理解不足や良くない書き方・解き方に起因するものも多くあると考えています。
安易に精神論で結論付けず、しっかりと対策を考えていかれるのが良いかと思います。

「ケアレスミス」と言いたくなる間違いの分類(続き)

前回の再掲になりますが、「ミス」と言われる誤答について、私は大きく以下のように分類・対処の検討を行っています。

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①オペレーション(記述方法ややり方)の理解不足が元で起こっているタイプ
②テストの際に①を実行できていないタイプ
③子が「正解率を上げる」こと以外を優先してしまっているタイプ
④緊張等の理由で、テスト中に練習したことが全て吹っ飛んでいるタイプ

●数字に対する「慣れ」が足りていなく、間違った際の認知機構が弱いタイプ
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引き続き、ケースごとに一つ一つ、ケース例や対処法を見ていきましょう。

ケース②:変えなきゃいけない内容はわかっているが実行できない場合

変えなきゃいけないオペレーションが分かっていてもその通りにしない、できないというパターンです。「こう変えよう」と話している段階では納得しているものの、実際にやってみると元に戻っているような場合ですね。
   

意外に子どもの中に「自分の中での理由」みたいなのはある

まずは、原因を探られるのが良いかと思います。あくまで、理由を聞く。同じ「なんでやらないの」でも「いいからやれよ」というオーラが出てしまわないように、ですね。「なるほど、試験中はこんな判断したか」と言った感じでまずはその判断を認めながら、様子を聞いてみるのも良いですよね。

そうすると、例えば「やり方を変えて時間が無くなるのが怖い」「感情的に反発している」「やらなくてもできると思っている」など、色々な理由が出てくる場合も少なくありません。まずはその本音の部分を引っ張りだすことが先決かと思います。

で、対処は、その後。理由によりけりですが、例えば時間不足の懸念などであれば、家で時間制限なしで、ドリルレベルのものを短期集中でやるというのも有効かと思います。「ゆっくりでいいよ」と声掛けし、九九のドリルをやるように、新しいやり方が「自分の勝ちパターン」となるまでやってみる。「家でこのやり方でできた」という自信が大きければ大きいほど、実践でトライできる可能性は高くなります。
   
「やらなくてもできる」と自信過剰に考えてしまっているケースであれば、内容ではなく話をするタイミングを変えてみるのも有効ですね。テストの自己採点をしたり結果が出た直後、凹んでいる時などに伝えるのが良いかと思います。

「家ではできるがテストだとできない」というケース

他にも、「家だとできるが、テストだとできない」という場合もあります。よくよく見てみると、スペースの量が違う・問題用紙に余白が少ない、とかが原因だったりする時があります。こんな時は、テスト用紙への書きこみでテスト直しをするなど、テスト時と同じ形で書き方を工夫するという練習法も良いかなと思います。

なるべく「この状況下だとできる」「この状況下だとできない」と検証を繰り返し、できない理由を探していければ良いですね。

ケース③:子が「正解する」こと以外を優先してしまっている場合

あとは、「そもそもあってるか間違ってるかの結果を気にしておらず、早く終わらせること」を優先しちゃっている場合もあるかと思います。「手間をかけてまで成績を上げる」というインセンティブが働いていないと言いますか。

結構あるんですよね、これ。端的に言うと「面倒くさい」というのもこれにあたります。「別に計算ミスなんて直さなくても成績は上がるでしょ」と軽視している場合もありますし、そもそも「直すのに必要な労力>点数を上げたいという気持ち」という力学が働いてしまっているということですね。

その場合は、「そもそもまず、成績を上げるために努力するか否か」という点からご家庭内で認識合わせを行うことが必要かと思います。この場合は、特に高学年の段階だと、計算や個々のミスにとどまらない影響が出かねない部分ですので、丁寧に対処したいですね。

本人が納得したことしか実行もできない

まあ、いずれにしても子ども自身が「納得」しない限りは・・・逆に言うと、無理に言い負かしたり、しぶしぶ頷かせたり納得させたりしている状態では、行動は変わってこないので、やり方変更の必要性をご本人が納得できるよう話し合いが必要かと思います。

私の教え子で、「この問題あってれば●●点だったよね。もったいないね」と話しているとミスが減ったというご家庭がいらっしゃいまいた。これも「ご本人がそのミスを無くしたい」という想いに呼びかけてあげるという意味で効果的だったのかなと思います。

ご本人の中にディープダイブして、何にモチベーションを持っているかを探り、ご本人が納得するやり方に持っていく、と。結局突き詰めれば「人の行動をどう変えるか」という話なので、そんな根本的なところになるのかな、と考えています。

イメージするものは常に最強の自分(の答案)だ

最後に、ちょっと話は逸れますが。個人的には前述のように、テスト振り返りで「ここは取れたよね」「ここはテキストのここをやってれば解けたね」と皮算用的なものをすることは、有効だと考えています。

もちろん、それで安心したり対策を怠ってしまうのは本末転倒なのですよ?「振り返りをしたことで『できたつもり』になる」というのはとても危険です。

ただ、具体的な目標達成イメージは施策を考える上でも、モチベーション向上のためにも有効ですからね。自分が「できる」と思ったこと以上を実際に実現するのは難しいですので。

「最高の自分」「最高の答案」をイメージし、「次はできる」という認識を持っていくのが、実際に成績を上げていく上でも有効だと思います。

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といったところで、本日はここまで。

次回「チェック機構を働かせよう」という部分についてお話しして、本テーマを締めくくりたいと思います。、

気温も高くなってきましたので、コロナ・夏バテ両方にお気を付けて。

では。最後までご覧頂き、ありがとうございました!

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