大学生や若手の個人家庭教師の方向けTips集 part4~「家庭教師と何するか」を設定しよう~

家庭教師
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こんにちは、あぶどぅるです。

関東圏、宣言解除されそうですね。学校や塾も次の動きが発表され始める頃でしょうか。
私の指導自体はもう暫くオンラインで様子を見つつ、2週間程度で再爆発が無さそうなら・・・と少し慎重に考えています。各ご家庭がオンライン指導に対応してくださったこと、また幸いなことに概ね学習ペースも成績も落ちていないことで、焦らず対応できています。各教え子たち自身が、自粛生活でもモチベーションを保ちつつ頑張った成果ですね。

油断せず、学校や塾が再開される新生活への移行をフォローしていければと考えています。学校が始まっても最初は分散登校など、週5フルタイムになるには少し時間がかかりそうなので、オンライン自習室ももう少し続きそうですね。

大学生/副業の方向け「はじめての個人契約家庭教師」的なTips集 その4

さて、本題。前回に引き続き、個人契約中心でやっていきたいと考えられている若手の家庭教師さんや指導者の方に読んでほしい企画part4です。

とりあえず、本編は今回で最終回となります。(その後、エピローグ的に「なんでこういうのを書いたか」「家庭教師に関して、こんな世の中になればいいなぁ」的なのは書きたいなと思っていますが・・・)

家庭教師の指導開始時、どんなことを考えて、どんなものを作るか、という話の6つ目。「6.んで、家庭教師がどんな指導をするか」(の提案)について書いていきます。
 

  1. なぜ受験をするか
  2. 目標としているものは何か
  3. そのための中間目標は何か
  4. そのためになぜ家庭教師が必要な状況か
  5. どんな学習が必要か
  6. その中で、家庭教師がどんな指導をするか

過去3記事とセットで「キックオフで考えたいこと」「指導開始時、こんな感じで考えつつファシリテートを」というイメージですので、是非合わせてご覧頂けると幸いです。
前々々記事:大学生や若手家庭教師の方向けTips集part1~指導開始時に考えること~
前々記事:大学生や若手家庭教師の方向けTips集 part2~課題認識を確認しよう~
前記事:大学生や若手家庭教師の方向けTips集 part3~具体的スケジュールを提示しよう~

「家庭教師と何をするのか」を明確にしよう

さて、前回までのフェーズで「勉強についてのご家庭のスタンス」「目標」「現状課題」といったところが明確になり、具体的なスケジュールが作れました。その上で、最後に検討すること。それは「で、家庭教師と何をするの?」という部分です。

スケジュールに沿って勉強を進めつつ、指導タイミングで「この教材を指導時に一緒にやり、またこれはこの曜日にやっておいて指導時に質問対応して、指導の復習としてこの曜日にこれをやって・・・」という形で、スケジュールの中における家庭教師の役割を明確化します。具体的に教材レベルで決まっていればそれもいいですし、「この教材とこの教材の不明点」位の抽象度でも良いかと思います。

当然、進めていくうちに「予定と違うことですが」という質問や協力要請は出てくると思います。それは歓迎するものですし、随時解消していくのが良いですね。なので「他のことをしちゃだめ」ということではありませんよ?

ただ、毎回出たとこ勝負の都度検討だと、学習リズムも作りづらいですし、「その子の目標達成までの道筋」も見えづらくなってしまうと思いますので、大まかな軸は必要かと考えています、「これを家庭教師とやる」という具体的なプランニング時点での軸と、「必要なことは随時変化するのでそれに対応する」という柔軟性の両方が重要ですね。

指導日数も時間数、曜日も「何をするのか」次第

指導開始時に「週に〇日」とか「〇曜日に」「〇時から〇時」という具体的な話は出てくると思います。これについては、前述の「家庭教師と何をするか」にその他の制約条件(親御様のお仕事や子の体力面など)を合わせて、「いつどのくらいやるのが良いか」と考えるようにしています。

経験からの「これくらいの成績なら週2回くらいかな」という帰納法による判断よりも、「学習スケジュールを遂行するために、指導内でこれとこれをしなければいかない。だから、この曜日とこの曜日の2回やるのが効果的ですね」と具体的な根拠があった方が、ご家庭の納得感も得られるかと思います。というか、指導者自身も判断しやすいですし、いずれにせよ脳内で組み立てる内容なので、それを伝えるだけっちゃだけですね。

(言語化は難しいが)過去の経験から帰納法的に考えて指導内容や方法、時間を決められる先生もいるかと思いますので、一概に良い/悪いを言えるものではありませんが、私自身はなるべく言語化して共通認識にするのがご家庭も安心されて良いと考えています。

もちろん、先生のスケジュールの都合もあると思うので、完全にご家庭にとってベストな日時をチョイスできるとは限らないことは承知していますが、まず検討のスタート地点としては「どのタイミングで指導するのが一番教え子のためになるか」から考え、伝えられると良いですね。

「個人家庭教師 キックオフミーティングTips集」を振り返って

さて、長らくお話してきた本テーマ、上記「6.家庭教師と何をするのか」にて終了となります。最後に一つだけ。「なぜこんな抽象的なことから長々と書いたか」という点について、改めて全体の流れとともに説明を。

ご家庭の考え・目標・学習スケジュール・指導内容は一つながり

結局のところ、書いてきたことは一繋がりの内容なんですよね。並列に「これも決めなきゃ、あれも決めなきゃ」というものではなく。

指導日時を決めるには、そもそも「何をするか」が必要
→「何をするか」を語るには、「どんな学習をするか」という前提が必要
→「どんな学習をするか」を決めるには、「学習についてどう考え」「どこを目指すか(学校に限らず広義の目標)」が必要

という感じで、各々次に考える内容の前提条件・根拠になっています。

システム開発をご存じの方に伝えるなら「要件定義もせず、設計はできんでしょ。ウォーターフォールのようなもんです」というところですね。さしずめ、パッケージソフトに当たるのが塾や学校などでしょうか。

どこまで言語化して明示するか、どこまでご家庭に細かく説明するかは先生やご家庭によると思います。全てこと細かに確認・認識合わせするのを煩わしいと思われるご家庭もいらっしゃるかもしれません。ただこのフローの要素が、少なくとも指導者側の脳内で、腹落ちした状態で認識できていないと、どうしても指導者側の都合や経験ありきの指導になってしまうリスクがあるのかなと考え、少なくとも自分は気を付けています。

常にご家庭と認識合わせ・見直しをかけよう

さて、こうしてできた学習プラン。ご家庭とも確認でき、指導開始となったとして。お伝えしたいのはこれです。月並みなセリフで恐縮ですが・・・。

「ゴールではなくスタートです」

指導開始後、色んなことが起きます。スケジュールだけでも、「実際やってみるとこの曜日は帰宅時間もっと遅かった」「学校の宿題が思ったより多い」「やることリストから漏れてた」ということは多々あります。いいんです。それを認識するためのスケジュール案ですので。

スケジュールだけでなく、塾の内容も進めていくうちに変わりますし、その前提の目標(志望校)が変わることもあるでしょう、それらは最初に全て予測し切れるものではありません。

これまで書いてきた内容について、「最初に完璧に検討する」ことに執着し過ぎず。もちろん、最良の検討はすべきですが、それを重視するあまり、柔軟性や謙虚さを失わないように。「ゴールまでのすべての光景を事前に見通していました」なんてきっと誰にもできませんから。

「その時点で考えうるベストなプランニングをする」ことと「想定ルートから変わった時に柔軟に対応する」ことは決して矛盾しません

最終的に、教え子にとって最良の道に進み続けられるよう、上記の検討フローを回し続けることが肝要かと考えます。

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さて、シリーズ「指導開始時、こんな風にしてるよ」もひとまず一区切り。過去記事も含め、読んでくださった方、ありがとうございました。

次回は、ちょっとだけ「こんな想いでこの記事書いたよ」とか「バイトでも副業でも、家庭教師する人がこうなればいいな」という部分をお話させて頂き、締めとしたいと思います。

次記事:「大学生や若手の個人家庭教師の方向けTips集」を書いた理由~今後の構想を添えて~

「家庭教師やりたいが、どうやってやりかた学ぶ?」「勉強の内容は何とかなると思うが、最初がハードル高い」って方に届けば嬉しいな、と思っています。

では。最後までご覧頂き、ありがとうございました!

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