こんにちは、杉本啓太@学び処あぶどぅるです。
割と前回の記事から間が空かずの投稿ができました。本日は、SNSにてお題を頂き記事を書かせていただいています。
というわけで、本日のテーマ「指導時に最終的にどこの学校に合格できるかわかるもの?」です。
最終的にどこの学校に合格するかは見えるのか?
今回、記事のテーマとしてこのようなお題をいただきました。
※ちなみに、私は国語専門ではなく、中学受験においては「算数・国語・理科」を専門にしております。
入試の半年、一年前からどの程度まで見通せるのか?
前提として、タイミングはある程度入試の前(入試1年前の六年生、もしくはそれ以前)。私が指導しているという前提でお答えさせていただきます。
結論から申し上げますと、私がある程度プランニングできる範囲という意味ですと以下のようになります。
- ピンポイントの合否の予測は難しい
- 12月時点での偏差値をピンポイントで予測するのも難しい
- 「冬までにこの偏差値くらいまで上がる可能性が高いかな/低いかな」「ベストケースならこの辺りの偏差値帯くらいで勝負できる(五分五分と言える)くらいまでいけるかな」というプランニングはある程度可能
こんな感じですね。
ただ、ベストケースと現状維持ケースはかなり幅がある(特に半年以上ある場合は)ため、「わかる」と言って良いかは何とも言えないですね。
ピンポイント予測が(少なくとも私は)難しい理由
私にとって、ピンポイントな結果予測が難しく「ベストケースの場合は」といった書き方になってしまう理由は、「勉強する→テストで結果が出る」の間の複雑性にあります。
例えば「しっかり勉強し理解はしているが、本番に弱い」という子の場合、メンタル面の成長とともに突然成績が伸びるケースは十分にあります。
逆に、私の力及ばす本番での弱さがどうしても克服できず、中学受験というステージにおいては成績が伸び悩んだままで本番を迎えてしまう子もいます。
上記のような場合、もちろん点数が取れない要因を分析し、克服できるようあらゆる手を考え試みます。ただ、外科手術のように物理的に対処できるわけでは無く、「改善できるように施策を行う、促す」という形になります。
そのため、例えば「身に付けた解法の想起」「複数の解法の組み合わせ」「計算」「時間配分」など学習とテスト結果の関係性が複雑で、関連要因が多いテストについては結果の想定は難しいのが現状です。逆に、単語テストや、試験範囲が狭いテストなど単純なものほど想定はしやくすなります。
お医者さんと同じかもしれません。「血液の数値が良くなる最善手やプランを考える」「より身長が伸びるような施策を考える」ことはできても、「〇ヶ月後にこの数値になります」「来年には身長が〇cmになります」とは言えないのと同様のイメージです。
「ベストケースやその実現見込みの高低」の判断ポイント
というわけで、ピンポイント予測自体は難しいという前提で。
とはいえ、「ベストケースならこのくらいまでは」とプランニングすることはできる、と書きました。その際のポイントについて書いてみたいと思います。
大きくは
①現在の成績
②現在の勉強内容
③習得効率
と考えています。
①現在の成績
単純に、現時点での成績ですね。
「今、テストの場においてどれだけの力を発揮することができているか」というのが、何はともあれベースの判断基準になります。
②現在の勉強内容
次に、どれだけの勉強をしているか。正確に言うと「どれだけの勉強で①の成績を取っているか」ですね。
例えば、100の勉強をしていて80の成績なのであれば、まだ出し切れていない20があるはずで、その要因を探り、対処可能性を測ります。「やっているけどテスト前に忘れる」のか「テスト前にはできているが本番でできない」のか。「実はやっているつもりだが、練習になっていない」などやり方が悪いケースもありますね(直しの時に答えを写しているだけ、など)。
逆に80の勉強で80を取っているのであれば、「やったことをテストで出す力は十分。あとは、勉強量自体を増やせるか?」という点により伸びしろを測ります。
実際は、上記2ケースもどちらかが完璧ということはなく両方検討することになりますし、量だけでなく科目ごと・単元ごとのポイントもありますが、いずれにしても「学習における行動」と「成績」の連動性を測るイメージです。
③習得効率
単純な学習時間の余裕というのもそうですし、日本語力(例:話す際にどこまでのスピードに対応できるか)、理解力(例:一度解説した内容をすぐに実践できるか)などですね。
かなり総合的な力でもありこれを分類・解説するとそれだけで非常に大きなテーマになってしまうので詳細は省きますが、ざっくりと言うと「一定時間の指導で、どれだけパワーアップできるか」ということですね。
これにより、追加インプットがどれだけ可能かを検討します。
まとめ
まとめると
【伸びしろ】 = 【A.テストで今出せてない力を出す】 + 【B.更なる力を身に付ける】
↓
A.をどれだけ増やせるか→ ①現在の成績 と ②現在の勉強内容 から判断
B.をどれだけ増やせるか→ ②現在の勉強内容 と ③習得効率 から判断
というということですね。
以上、お答えになっているでしょうか・・・?
(おまけ・編集雑記)質問された形とは微妙に異なる方向の解答になってしまっているかもしれない理由
上記、ちょっと質問された形とは異なる方向の解答になってしまっているかもしれないな・・・と自分で感じています。もし質問者の方も同様であれば、その点申し訳ございません。
実は、いただいたお題を考えていた際に、「どのくらいの学校に行けるか・・・うーん、予想・・・?」とちょっと違和感があったんですよね。普段考えていることと、似ているようで微妙にベクトルが異なるような違和感が。そして、記事を書ているうちに、その違和感の正体が少しはっきりしてきました。
もちろん、子によって「成績の上がりやすい/上がりにくい」の差があるのは事実です。ただ基本的に、目標が先にあってそのために学習や指導がある、ということが多いため、「偏差値いくらに到達するか?」と考えることはあまりなく「偏差値〇〇に到達する見込みがどのくらいあるか?」という視点になるんですよね。「目標は無いが、偏差値を上げられるだけ上げる」みたいなケースはあまり無いので。
更にその上で。実際に指導する際に到達見込みの推測だけすることは基本的になく「その可能性を上げるためにどうするかを考える」のがセットとなります。そのため、どちらかというと「偏差値〇〇に到達する見込みが高い/低い」というよりは、「偏差値〇〇に到達するのはこれをするだけだから割と容易」「偏差値〇〇に到達するにはこれだけの課題がありこれだけのことをする必要があるから結構大変」というような言い方/整理の仕方になってしまうのかなと思います。
定期的にテーマ募集は行っていきたいと思います
今回、本テーマで考えてみた時に改めて自分の中で、「どのような頭の使い方をしているか」「どのようなポイントを見ているか」を整理することができました。
やはり保護者の方から「こんなテーマの記事が見たい」「これについてアドバイスが欲しい」といったニーズをいただくと、モチベーションも上がったり、また改めて考えてみることで自分の頭の整理にもなったりしますね。
指導や模試分析サポートの時間の合間にではありますが、定期的にこのようなことも行っていきたいと思いました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それではまた(=ω=)ノシ
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